学会の概要

沿革

 日本印度学仏教学会は、現在の会員数約1,900余名を擁する、人文社会系の学会としては日本で最大規模の学会です。 昭和26年(1951)10月15日に東京大学で創立総会が開かれて以来、令和3(2021)年で創立70周年を迎えました。これは、第二次大戦後のインドやパキスタンの独立などによって、世界におけるインド研究、仏教研究の必要性が高まるにつれて、我が国でもまず日本宗教学会が全国学会として成立したその趨勢を受けて、インド哲学と仏教学という分野で全国学会としての学会組織を成立させようと意図したものです。

 それまでに仏教学の分野では、すでに戦前の昭和3年(1928)に御大典記念として日本の各宗門系大学を中心に東大、京大、東北大の各印度哲学研究室が加わって日本仏教学協会が発足成立していました。 当初はこの日本仏教学協会を学会組織に改め(昭和22年、日本仏教学会と改称)、全国学会としての再出発を図る企てがなされましたが、その検討の結果、新しい別個の学会の設立に至りました。

 昭和24年(1949)10月3日、東京大学の印度哲学研究室で、宮本正尊、金倉圓照、干潟龍祥、本田義英、山口益、辻直四郎、花山信勝、中村元、坂本幸男、西義雄、増永霊鳳という、当時のインド学・仏教学を代表する人々が集まって第一回の学会創立のための会議がもたれ、昭和26年に創立、初代理事長に宮本正尊が就任しました。 翌年1月に学会連合の加入が認められ、全国学会として承認されて今日に至っています。

 本学会は、日本におけるインド学と仏教学の研究の発展を目指すとともに、世界各国の関連分野の学者とも連携し、大きく世界文化の進運に貢献することを目的として創立されました。 学会の会員は、個々人としての研究者のほか、インド哲学や仏教学の講座や学科のある大学・短大など、それに研究所などの研究機関が加盟校・加盟団体となっています。

組織

 日本印度学仏教学会はインド学・仏教学の研究をはじめとして、何らかの形で関わる研究者や関係者、学術研究機関・団体組織などの集まりによって構成されています。 学会の組織には会員組織と、学会の維持運営のための運営組織とがあります。

 まず会員組織から説明しますと、会員は普通会員、名誉会員、維持会員、特別維持会員、準会員の区別があります。普通会員は学会の理事あるいは評議員の推薦を受け、理事会の承認を経てなることができます。 毎年一定額(2023年現在6,500円)の会費を納めることによって、学術大会での発表の権利が生じ、学会誌が送られてきます。 会員は普通会員であれどの会員であれ、日本在住の人や組織に限られておりません。 現在、韓国や台湾のほか、ヨーロッパやアメリカの国々の普通会員や維持会員がおります。 名誉会員は、長年に亘り斯界のために尽力され、学界の発展に大きな貢献をされた会員を理事会で推戴するもの、維持会員は学会の維持のために一定額を拠出する学術研究機関・団体組織で、学会の加盟校・加盟団体がこれに相当します。 特別維持会員は学会の運営維持のために毎年特別額を負担する個人または団体・組織です。 学会の資金運営は普通会員の会費、維持会員、特別維持会員の会費だけでなく、仏教関係の団体・組織からの毎年の寄付金、広く一般個人篤志家の援助にも助けられています。 準会員は、学会誌を継続して購読する個人、または団体の会員です。

 次に運営組織ですが、これには理事会と評議員会とがあり、この二つが学会の意思決定機関です。学会のそれぞれの加盟校、加盟団体から選ばれた理事、評議員が理事会、評議員会を構成し、学会の維持運営に当たっています。 そのほかに学会の会計、財務状況を監査する監事2名を置いて厳正な運営を期しているほか、常務委員数名を置いて日常の運営業務や学会事務局との連絡に当たっています。

歴代の理事長

宮本正尊 (1951.10–1983.6) 1983年6月より11月まで名誉理事長

平川彰 (1983.6–1991.7)

前田專學 (1991.7–1996.9)

江島惠教 (1996.9–1999.5)

前田專學 (1999.6–2002.7

木村清孝 (2002.7–2008.9)

斎藤明 (2008.9–2014.8)

丸井浩 (2014.8–2017.1)

木村清孝 (2017.1–2017.9)

下田正弘 (2017.9–2023.8)

蓑輪顕量 (2023.8–)現理事長