日本印度学仏教学会常務委員会は、日本学術会議法改正案に対して反対の立場を表明し、国会に対しその内容の見直しを強く求めます。本改正案は、日本学術会議が2021年4月の総会にて提示した「ナショナル・アカデミーの5要件」を満たしておらず、また2024年7月の会長声明において示された「5つの懸念点」にも十分に対応していません。当委員会は、法案の修正を求めた2025年4月15日の日本学術会議総会における決議を支持いたします。
2025年4月27日
日本印度学仏教学会常務委員会 委員長 蓑輪顕量
「ナショナル・アカデミーの 5 要件」
(a)学術的に国を代表する機関としての地位、(b)そのための公的資格の付与、(c)国家財政支出による安定した財政基盤、(d)活動面での政府からの独立、(e)会員選考における自主性・独立性
「5 つの懸念点」
①大臣任命の監事の設置を法定すること、②大臣任命の評価委員会の設置を法定すること、③『中期目標・中期計画』を法定すること、④次期以降の会員の選考に特別な方法を導入すること、⑤選考助言委員会の設置を法定すること
「会長声明」
令和6年7月29日第12回日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会日本学術会議提出資料を参照
令和2年10月1日、日本学術会議第25期の発足にあたり、同会議が推薦した新会員候補105名のうち6名について、内閣総理大臣は任命を拒否し、その個々の理由を何ら詳らかにしていません。今回の異例の決定は、日本学術会議の職務の独立を定めた日本学術会議法の趣旨に反するとともに、科学を通した社会貢献に向けて、全領域の科学者が自律的に協働しつつ意思を形成する日本で唯一の機関である日本学術会議の機能を著しく毀損するものであります。以上の理解に立ち、日本印度学仏教学会は、内閣総理大臣に対し、任命拒否に至る個々の具体的理由の開示と、任命拒否された会員候補者の任命とを、強く要請いたします。
2020年10月7日
日本印度学仏教学会理事会